20代以下なら誰もが知る性格診断、mbtiとして検索されがちな16personalitiesの流行り方について、思うところをシリーズで書いていきます⇩
日本のZ世代へ広がる性格診断、mbtiはホントはMBTIじゃない。
2〜3年前からZ世代を中心に広まった、16personalitiesmbtisという無料の性格診断。
93の質問を10分程度で答えていくと、16パターンの性格モデルが『診断』としてわりあてられます。
K-POPアイドルらがその結果を公表するなどして、日本の10代20代にも一気に浸透したようですね。
2022、2023年ともにZ世代が選ぶ流行語大賞にmbtiが上位ランクイン。
mbtiで検索すると16personalitiesの性格診断サイトが上位に表示されます。
そのため、16personalitiesmbtis =mbtiと思っている人がかなり多いようですが、実はちがうんです!
MBTIはスイスの精神科医かつ心理学者のカール・グスタフ・ユングのタイプ論をもとにした性格検査。
16personalitiesはイギリスのNERIS Analyticsという会社がWeb上で無料提供している性格診断テストで、MBTIではありません。
日本におけるMBTIの公式団体も、「(形式は)似ていてもまったく別物!」との注意を公表しています。
そもそもMBTIという名称の由来は、Myers-Briggs Type Indicatorの頭文字をとったもの。
メイヤーさんとブリッグスさんという2人の女性がユングご本人から許可をとった上で、研究し発展させてきたメソッドなのです。
『性格』ってそもそも何?人格とどうちがうの?
私達はその人が持つ心理的な特性や行動パターンをさし、「あの人は〇〇な性格だ」などと言いますね。
たとえば、あの人は短気(な性格)、あの人はおとなしい(性格)などと表現したりします。
性格は、持って生まれた先天的な気質や、育ってきた環境など後天的な要因など、さまざまな影響を受けているとされます。
また英語圏では先天的な気質をcharacterとして、性格とは区別して使われたりします。
日本における「キャラクター」は「キャラ変」といったように対外的に作り上げる意味合いが強そうですね。
一方、personalityの和訳には「性格」も「人格」も含まれますが、日本では、両者のニュアンスはかなりちがいます。
人格には、その人自身の信念、価値観、それらを育んできた背景、生き様なども含まれるからです。
人格=人間性や人柄といった概念の方がより近いかも知れません☺️
以前は『人格障害』とされていた診断名が今は『パーソナリティー障害』と表現されるようになりました。
『人格障害』だとまるで、その人の人格や人間性までもが否定されているような印象を与えてしまうからです。
精神科における診断名が変更された例は、ほかにもあります。
『分裂病→統合失調症』『痴呆症→認知症』などがよく知られていますね。
診断名は多くの患者さんやその家族にとって、一生背負って生きることもあり得る、とても重いものです。
ですから、少しでも差別や偏見につながらない配慮や見直しが、とても大切だと実感します!
性格は『診断』できるもの?誰がどんな基準で⁉︎
『診断』は本来、『医者が患者を診察し病状を判断』することです。
そこから『物事に欠陥があるかどうかを調べて判断』することにも使われるようになりました。
また性格の『格』という漢字には、「決まり」や「法則」の他に、「地位」「身分」「程度」といった意味合いがあります。
「格付けランキング」などという言葉があるように、何らかの基準を守って、誰かしらがその程度(レベル)を順位づけする意味合いが『格』にはあるんですよね。
上記をふまえて『性格診断』というものを、言葉どおりに解釈してみると…
『(性格に)欠陥があるかどうかを調べて判断』することになります。
だいたい性格=心理的な特性や行動パターンなのですから、どんな性格を良しとするかは人それぞれです。
診断と呼ばれるものは本来、良いか悪いか、合格か不合格かの二択を、明確な基準をもってするもの。
使い方によっては、思いがけず相手を傷つけることにもなりかねません。
他人の性格診断の結果を扱う際には、とくに相手がどう受け止めるかの配慮も必要になりますね☺️
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